Confidentiality Agreement または Non-Disclosure Agreement (しばしば「NDA」と略称)呼ばれる契約書です。
定型的な契約書だと思っている方も多いと思いますが、そうではありません。秘密保持契約においては、(1)自社が主として「秘密情報」を提供する当事者なのか、それとも「秘密情報」を受領する当事者なのか、(2)「秘密情報」の具体的内容は何か、(3)「秘密情報」は紙や電子媒体に記録されたものが多いのか、(4)「秘密情報」は何年くらいで陳腐化する性質のものか、そういったことを総合的に考慮する必要があります。
たとえば、「秘密情報」を定義するに際して、自社が主として「秘密情報」を提供する当事者であれば、ある程度曖昧に定義した方がよいですし、自社が主として「秘密情報」を受領する当事者であれば、現実に提供されたもの、「秘密である旨を明示して開示された」ものに限定するということを検討するべきです。
契約期間ないし秘密保持期間についても、日本の契約実務では無期限ということも多いですが、海外では年数を区切るのが一般的です。しかし、自社が主として「秘密情報」を提供する当事者であれば、無期限とする方向で交渉するべきであり、安易に「5年」「10年」で納得するべきでありません。逆に、自社が主として「秘密情報」を受領する当事者であれば、無期限では社内管理が難しいため、年数を区切る方向で交渉するべきでしょう。年数を区切る場合は、その「秘密情報」が何年くらいで陳腐化する性質のものかということを考慮して決めます。
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